2006年05月18日

商いの道

昨日、さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
という本の話を書きましたが、それ以前に「商いの道」
という本を読みました。

この本はお勧めです。
経営者そして、これから経営をする人には
商いの心構えが書いてあるので
読む価値のある本だと思います。

商いの哲学というよりも人としての哲学を書いてあります。


著者は伊藤雅俊 この名前を聞いてすぐに判る人は経済に詳しい人かもしれない、
イトーヨーカドー セブンイレブン ディニーズなど60数社の創設者です。
今それらのグループ会社を統合してセブン&アイ・ホールディングスとなっていますね。
小売業としてはイオンと共にもっとも大きなグループ会社です。
イオンはM&Aを繰り返して急激に大きくなった会社ですが、伊藤雅俊は1社1社を育てあげてきたといわれています。

その伊藤雅俊とよく対比させている人物にダイエーの中内功がいますね。
共に小売業界を引っ張ってきた人ですが、その性格は正反対で、M&Aや土地を担保に広大路線を続けたイケイケでワンマン社長の中内功に対して、伊藤雅俊は橋を叩いても渡らないという堅実で謙虚な性格だったらしい。その影響はバブル崩壊後に現れてダイエーは衰退し産業再生法の支援を受けるほど堕ちてしまいました。

セブン&アイ・ホールディングスは、今では日本でもっとも大きな小売業グループですが、最初は伊藤雅俊の母がやっていた1坪ほどの小さなお店羊華堂からのスタートでした。病気がちの兄は羊華堂時代に亡くなり、その後雅俊が経営を引き継ぐことになります。そこからこつこつと会社を大きくしていったんですね。

この本を読むと彼の堅実な商いは彼の母と兄から引き継いだものだとわかります。
伊藤雅俊が生涯鑑としていたのが、母と兄だった。

伊藤氏は、こう語っています。

 「母と兄は、私にとって商人の鑑であり、師であり、商人の道、人の  道を教えられた。逆境で苦労に苦労を重ねてきた母は、『お客様は来てくださらないもの』『お取引先は売ってくださらないもの』『銀行は貸してくださらないもの』、それが商売の基本だと教えてくれた。だからこそ、一番大切なのは信用であり、信用の担保は、お金や物ではなく、人間としての誠実さ、真面目さ、そして何より真摯であること、ということだった。」

「お客様は来てくださらないもの、お取引先は売ってくださらないもの、銀行は貸してくださらないもの」
この言葉は商売をやっている人にはまさに心に染み入る言葉ではないだろうか。

また、イトーヨーカドーは、ダイエーと正反対に「土地をもたない経営」で有名ですが、それも雅俊が考えたある販売方法で兄から、「おまえは地主のようだ。」と叱られたことが影響しているとも語っている。

兄は場所を貸してお金を取るのは自分で苦労して売って利益を上げるという商いの本道から外れると思ったのかもしれない、そしてそれが、イトーヨーカドーを救ったともいえます。
あのバブル時代に土地にてを出さなかったのは、兄の影響だったんですね。

この本を読むと、伊藤雅俊は周りに対する感謝の気持ちを忘れない、とても謙虚な人物という印象を受けます。私が私がということが出来る立場の人ですが、そうゆうところはないので、そうゆう謙虚な姿勢には感心せずにはいれません。
伊藤雅俊と面識があるという人のプログに

「伊藤氏は周囲に対して非常に謙虚。社員を前にしても「皆様、毎日御苦労様でございます」と深々頭を下げ、労う。業務上は必ず皆の意見を聞く。逆に意見を言わない社員は“問題意識を持っていないのでは?”と積極的に意見を述べることを促す。」

と書いてありました。
それだけ感謝と謙虚さを合わせ持った人だったのでしょう。でもその反面、
ロイヤルホストの江頭社長は伊藤雅俊のことを「羊の皮をかぶった狼」と評しています。

周囲には謙虚に接していたとしても、自分の中では高い目標があったんはないだろうか。


商いの道は、
誠実であることが成功する上でもっとも大切なことだと説いていますので、
商いをやる人には、
どんなマーケティングの本よりも、まず最初に、この本を読むことを薦めたい一冊です。
また、誠実であることは、商いだけではなく、人としての道に通じるものがありますので
商いをやっていない人にも、お勧めの本です。


posted by teruterufox at 20:04 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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